サンティアゴ・デ・コンポステラ

何世紀にもわたり、多くの旅人が伝説の巡礼路「カミーノ・デ・サンティアゴ」を歩き、ガリシアの中心地を目指してきました。そこには、9世紀から伝わるサンティアゴ大聖堂がそびえ立ち、聖ヤコブ使徒の遺骨が安置されているとされています。ここもまた、壮大な歴史が息づく地といえるでしょう。

しかし、サンティアゴ・デ・コンポステーラは巡礼者に限らず、すべての訪問者を魅了する活気あふれる都市です。例えば、美味しい海の幸が楽しめるレストランやバー、ユネスコ世界遺産に登録された魅惑的な旧市街、そして洗練された現代アートなど、歴史とモダニズムが絶妙に調和しています。

街の中心には、有名なオブラドイロ広場があります。広場には、大聖堂や荘厳なラショイ宮殿、さらには世界最古のホテルともいわれる伝説的なオスタル・デ・ロス・レイエス・カトリコスが佇んでいます。ここでは、杖とホタテ貝のシンボルを持った巡礼者たちがくつろぐ姿がよく見られます。

 

サンティアゴ大聖堂の見どころ

大聖堂内には、見逃せない儀式や名所が数多くあります。まずは、謎めいた「栄光の門」や聖ヤコブ像をじっくり鑑賞した後、神秘的な地下聖堂を訪れ、最後に塔の上部からの絶景を堪能しましょう。また、運が良ければ、巨大な大香炉「ボタフメイロ」が焚かれ、香の煙を振りまきながら左右に大きく揺れる荘厳な儀式を目にすることができます。

大聖堂周辺にも見どころが多く、ベレンゲーラの鐘楼を一望できるプラテリアス広場や、美しい階段が特徴のキンタナ広場、壮麗なサン・マルティーニョ・ピナリオ修道院などがあります。一歩足を踏み入れるだけで、その歴史と魅力が感じられるでしょう。また、市内のどこからでも威厳ある大聖堂を望むことができ、アラメダ公園やモンテ・ド・ゴソの展望台からはそのシルエットがひときわ美しく映えます。

 

ガリシアの食文化とモダニズム

ガリシアグルメを堪能するなら、アバストス市場がおすすめです。新鮮なガリシア産の海産物やチーズ、パドロン唐辛子、そして「ミニチュア料理」と呼ばれる一口サイズの料理が楽しめます。旧市街のフランコ通りやライーニャ通りでは、地元の人々や観光客がタパスを求めに賑わいを見せます。ここでは、有名なタコ料理(タコ・ア・フェイラ)やホタテ料理、サンティアゴケーキ、世界最高峰の白ワインとされるアルバリーニョなどを堪能することができます。

また、サンティアゴ・デ・コンポステーラには、歴史的遺産のみならず、モダンな側面もあります。大学やアートギャラリーに加え、特にガリシア現代美術館とピーター・アイゼンマン設計による「文化都市シティダ・ダ・クルトゥーラ」はガリシアで最も有名な現代建築の一つとして知られています。